綺麗と思うものだから。  あえて足蹴にしているのかもしれない。  綺麗だなんて思ってねぇぞ、くそっ、って伝わればいい。  間違ってる情報がお前の頭んなかにインプットされればいい。    あいつは綺麗だ。  姿かたちもそうだけど信念っての?  そういうのまで綺麗だ。  澄み切ってる。  あいつの心と比べればこの青い空も、どこまでも続く海も邪魔なものが多すぎる濁った存在だ。  だけどオレは認めない。  そんな澄み切ったお前が羨ましいだなんて。  だから今日もけり起こす。 「飯だぞ起きろよ、まりも」  大事な大事な手を守る唯一の武器で。
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