=To Tell The Truth=

 ニール・ディランディ 、墓石に刻まれた俺の名前。  そうか、知ってたよ。  俺は死んだことになってるんだ。  あの日からずっと。 「ライル・ディランディ」 「いや、ロックオン・ストラトス」  狂ってるよ、全部根本から間違っている。  俺がニール、ライルは兄さんのもの。  そう口に出そうとして一方的な会話に拒まれる。 「ニール・ディランディは死んだ」  そうか、俺がライルなのかと思って笑ってしまった。  まったくもって兄さんの代わりなのだ。 「墓は用意した。  何も埋まってないが、察してくれるとありがたい」  あともう少し小さくて笑顔の一つでも浮かべればべっぴんだろうにもったいない。  ティエリアに色とりどりの花束を渡されて、浮上していた船内から押し出された。  俺に自分の墓参りに行けってか。  指定された場所は墓場に違いなかった。  俺の名前と四年前の日付が刻まれている。  息を止められるようだった。 「縁起でもねぇって」  いつ死んでもおかしくないような生活をしている自分には笑えなかった。   どこで間違ったのだろう。  何を間違ったのだろう。  確かに家族は殺された。  けれど孤児だってきっと今の世の中を享受している。  よっぽどよくなった暮らしに慣れきっている。  兄弟そろって戦わなくても良かったんじゃねぇの、兄さん。  それともこれは俺の戦いなのだろうか。  ニール・ディランディ、それは戦いの名。  ライル・ディランディ、それは安息の名。  ロックオン・ストラトス、やはり死に憑かれている。  さて、喫茶店にでも行って若い女の子にでも声をかけようか。  俺から名乗る時はこうだ。  ライル・ディランディ、君を狙い打つ男だ。  <<