=捗々しき馬鹿達= ガキ共がアホ面ひっさげて喚く公園。 そこにおよそ似つかわしくない紫色の傘を見た。 「よぉ、チャイナ」 「なんだお前アルか」 けんか腰の口調も覇気が無い。 「旦那とは進展したのかィ?」 隣に腰掛け問う。 「なんで銀ちゃんが出てくるネ。 お前こそマヨと何かしたか?」 いつからかお互い会えば旦那と土方さんの話ばかり。 みんながいないときは休戦。 可哀想な戦友になる。 「銀ちゃん、好きって言っても分かってくれないアル」 「言ったのかィ?」 このローテンションぶり。 チャイナは昨日3回、と答えた。 「っで旦那の返事は?」 雰囲気からするに大体分かっている。 断られたんだ。 「あの天パ、 『銀さん知らなかったなぁ、今日4月1日か・・・』 ってぬかしやがったのヨ!」 もう梅雨だ。 「あと2回もそんな答えかィ?」 「2回目は 『神楽、お前ねぇ、なんかの罰ゲーム? 銀さんはそういうの騙されないから新八にでもやりな』 って普通に考えたらゲームの相手が新八だろォォォ!!!」 やばい、チャイナの怒りのボルテージが急激に上がっていってる。 えげつねぇのな旦那は・・・。 続きは聞きたくないな、なんとなく。 こっちまで落ち込んじまう。 でもここまで来たら聞くしかねぇか。 「3回目はなんと?」 「何、神楽ちゃん。銀さんをポリゴンにして笑おうって魂胆?」 ロリコンというところが耳に痛い。 たとえ相手がポリゴンと言ってても。 「ロリコンねィ・・・」 「そうなのヨ、銀ちゃんをロリコンにさせちまうってのは分かってるのヨ」 分かってる。 10近くも歳が違う。 「でもお前は良かったネ、人間で」 柄にもなく落ち込むと自嘲的な口調になるオレ達。 似た者同士。 「チャイナは女で良かったじゃねぇか」 「銀ちゃん、あんまり天人好きじゃなさそうネ」 「土方さん、根っからの遊び人なんでさァ」 「銀ちゃん、糖尿病寸前ネ」 「土方さん、マヨ星の住人でねィ」 「銀ちゃん、天パMAXヨ」 「土方さん、瞳孔開きっぱなしでさァ」 気がつけば愚痴に。 落ち込むだけじゃ性に合わない。 「「しかも怖がり」」 あぁ、楽しい。 なんで世の中バカばっか。 「そうだ、チャイナ知ってるか。 今年の夏、ネバーランドに意識ギリギリになるお化け屋敷できるんでさァ」 「もちろん知ってるヨ。 名前も意識もギリギリが売りのテーマパークネ」 「入場券来たらまわしてやろうか、2枚」 「近くに幽霊屋敷あったら教えてやるヨ」 「それはありがてェ」 でも、本当に知りたいことがある。 「だから代わりに時間戻る方法調べるアル。 そしたら銀ちゃんの昔に会うネ。 年とか忘れて愛させるネ」 「そんなのオレが知りてぇや。 だいたいそれ代わりになってねぇよ。 損な交渉はうけねぇぜィ」 「じゃぁ酢昆布やるよ。1パック」 「消えろチャイナ」 「だからお前は総一朗じゃないアル」 「局長になる気はねぇんでさァ」 せめてこの感情にも馬鹿になれたら。 <<